相続の税理士選び

相続の税理士の選び方とタイミング

相続の税理士選び、初めてのことだし、

  • どのタイミングで税理士に相談したらいいの?
  • どんな税理士に相談したらいいの?

といった疑問がありますよね。インターネットで答えを探しても、回答しているのが税理士だと、どうもポジショントークに思えてしまう。

でも、税理士選びを適当にしてしまうと、経験の浅い税理士に依頼して、大した節税提案もないうえに、のちのち、税務調査で間違いを指摘され、追徴課税なんてこともあり得ます。

そこで、税理士事務所に通算18年勤務し、相続税の申告や税務調査に立ち会いをやってきた私が、税理士とは違った客観的視点で解説します。

この記事の内容

  • 相続で税理士に依頼するタイミング
  • 相続の税理士の選び方
  • やってはいけない税理士選び
  • 「相続専門の税理士」の見分け方

この記事を読むことで、相続の税理士選びのタイミングと選び方、さらに、税理士選びでやってはいけないことなど、一般的な税理士のホームページでは語られていないことがわかります。

前置きが長くなりましたが、結論からお話しします。
相続の税理士選びとそのタイミングは、

相続で税理に依頼するタイミング
👉遺産分割協議前

相続の税理士の選び方
👉地元の相続専門の税理士

となります。

相続で税理士に依頼するタイミング

相続で税理士に依頼する場合、「相続税の申告書の作成」が間に合えばいいと思っていませんか?

それでは遅くて、特別もめていない相続なら、遺産分割協議前に税理士に依頼し、一度相続税のシミュレーションをしたのち、遺産分割協議をするのがベストです。

遺産分割協議

遺産分割協議とは、「だれがどの財産を取得するか?」を相続人間で協議することをいいます。

というのも、
だれがどの遺産をどれくらい相続するかによって相続税は変わってくるからです。

たとえば、相続税には「配偶者控除」という制度があります。

この制度では、配偶者は相続した財産のうち法定相続分か1億6千万円のどちらか大きい金額までは課税されません。

つまり、配偶者が相続する割合で相続税額に大きく影響します。

相続税を少しでも抑えると考えるなら、遺産分割協議前に税理士に相談するのがおススメです。

相続の税理士の選び方

相続で税理士を選ぶなら、次の二つを満たす税理士がおススメです。

  • 地元の税理士
  • 相続専門の税理士

なぜ、地元の税理士がいいのか?

相続税で土地を評価する場合、国税庁の路線価図をつかいます。これは国税庁があらかじめ道路に価額を設定している地図です。

評価する土地がどの道路に面しているかを調べその道路の価額に土地の面積をかけて、金額を算出します。

[路線価図]

例えば下図の青の四角の箇所に100㎡の土地を持っていたとします。

青丸で示したところが道路の価額で千円単位で表記されています。
この場合は「470D」(アルファベットは借地権の割合で貸地の場合関係しますがここでは割愛します。)となっているので、47万円です。

これに面積をかけると、
470,000円×100㎡=47,000,000円

47,000,000円となります。

一見、簡単そうですが、実際の土地は正方形ではなく、形がいびつであるほど実際は使い勝手が悪いので、土地としての価値が下がります。それを加味して、「不整形地」として実務上は減額評価します。

また、がけ地などは、地図上ではわかりにくく、現地を見てみないと判別できません。この場合ももちろん減額評価します。

このように土地の評価は現地を見ないとわかりません。そこで、現地に行ける地元の税理士の方が適切な評価が期待できます。

 

なぜ、相続専門の税理士がよいのか?

国税庁が発表する令和元年度の
相続税の申告件数115,267件令和元年分相続税の申告事績の概要
登録税理士数78,795人国税庁発表:税理士登録者数
となっています。

単純計算だと、税理士一人当たりの相続税の申告件数は年間2件に満たなくなります。

つまり、相続案件に特化している「相続専門の税理士」は相続案件のみを扱い、他の税理士は法人の顧問先、所得税の確定申告などを主業務にして相続案件は、ほぼ扱わないといった感じで二分されます。

法人税や所得税の申告と違って、相続税は取扱件数自体が少ないので、税理士でも経験がない人はたくさんいます。

大事な相続税の申告、任せるなら経験が少ない税理士より、経験豊富な「相続専門の税理士」が安心ですよね。

やってはいけない税理士選び

下の表は、国税庁発表の相続税の調査状況です。実地調査10,635件中申告漏れ等の非違が9,072件で非違率は85.3%に上ります。

非違というのは、申告漏れも含め、財産の評価や申告書に誤りがあったことを示しています。85.3%なので非常に高い確率なのがわかりますよね。

国税庁:令和元事務年度における相続税の実地調査の状況

相続税の申告なんて、税理士がやっているのにそんなに間違うものなの?と思いますよね。

相続税の税務調査で一番否認されるものは「名義預金」です。被相続人(亡くなった人)が妻名義、子供名義で遺した預金です。

名義預金が申告漏れや非違では多くを占めると推測されます。

ただ、税理士のミスによる非違ももちろんあります。土地の評価などは現地確認をおろそかにするとミスする確率が高いです。

現地確認しないなんて専門家なのに、そんな素人みたいなことするの?と思うかもしれませんが、税理士にも「相続」に関しては素人みたいな人もいます。

その原因になったのが「平成27年の相続税の改正」です。

この改正では、「基礎控除の引き下げ」「生命保険の非課税枠の引き下げ」で相続税の対象者が増える、「増税の改正」が行われました。

詳細は割愛しますが、一言で言うと、

これまで相続の対象にならなかった人まで、相続税の対象になった

改正でした。

この改正で、実は税理士業界は「相続税のマーケットが拡大した」ととらえて、
「これからは相続だ」とばかりにこれまで相続案件を扱わなかった税理士まで「相続税」の市場に参入してきました。

 

相続専門の税理士の見分け方

ここ最近、相続専門の税理士を選ぶのが難しくなってきました。
というのも、税理士のホームページ上は、平成27年以降に新規参入した税理士も「相続専門の税理士」、「相続に強い」と掲げているからです。

でも、相続専門の税理士とそうではない税理士を見分ける方法はあります。

それは、相続専門の税理士ではない場合、次のいずれかにあてはまるからです。

  • 法人の顧問などの業務もやっている
  • 料金が低価格である。

 

法人の顧問などの業務もやっている

相続を専門にやっている税理士は、法人の顧問などはやっていません。税務といえど、相続税の業務と法人の顧問などの法人税・会計業務は、全く畑が違います。

上述したように平成27年の改正から相続のマーケットに参入した税理士は、もともと法人顧問などもやっており、現在も継続していることがほとんどです。

なので、法人の顧問をやっている税理士は「相続専門の税理士」とはいえません。

料金が低価格である。

相続の分野は、相続税法だけではなく基礎的な民法の知識も必要で、専門性が高いので、業務にかかわるスタッフのレベルも上がります。当然人件費も高い傾向にあるので、そのコストの分が税理士報酬に反映されます。

平成27年の改正後に相続のマーケットに参入した税理士は、古くから「相続専門」やっている税理士に知識、経験では勝てません。

そうなると勝負できるのが価格なので、料金を安くして顧客を獲得するという集客方法になります。なので、料金が低価格な税理士は、あまりおススメできません。

まとめ

まとめると、相続税の申告を税理士に依頼するなら、

遺産分割協議前のタイミング

地元の相続専門の税理士に依頼する

この二つを意識して税理選びに役立ててください。

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