
解約につながる理由

税理士の解約の理由の1割が「税理士の顧問料が高い」ことが理由です。
税理士はコロコロ変えるべきではないという昔の風潮とは違う印象をうけますよね。
では、なぜ、顧問料が高いとすぐに解約につながるのか?その理由を深掘りしてみます。
優秀な税理士が他にたくさんいる
意外?に感じるかもしれませんが、税理士に対して不満に思ったことがある人は少なく、じつに「事業主の7割が不満はない」と回答しています。
それだけ多くの税理士は対応面でも優れていると考えられます。
つまり、対応が悪い税理士に当たる確率の方は極めて低いことになります。

税理士紹介サイトで簡単に減額が可能
税理士紹介サイトなどを利用すると、税理士の顧問料は簡単に減額が可能です。
税理士紹介サイトとは

税理士紹介サイトとは‥ユーザーと税理士をマッチングするサービスです。ユーザーは希望の条件を伝えると、登録税理士の中からその希望に沿う税理士を紹介してもらえます。
税理士紹介サイト各社では、以下のように税理士の顧問料の見直し事例が豊富です。今や顧問料が高ければ、税理士紹介サイトで見積りをとって税理士変更をするというのは、かなり認知されてきました。
税理士ドットコムの見直し事例

税理士紹介エージェントの見直し事例

事業主の3割は税理士の解約を経験
上述したミロク情報サービスのアンケートでは、実に事業者の約3割が税理士の解約を経験しています。

つまり、それだけ、税理士の解約は頻繁に行われるようになってきたことともとらえられます。
税理士の顧問料の相場をチェック

「税理士の顧問料が高いのでは?」そう感じたら、まずは、顧問料の相場を確認しましょう。
比較するうえでは、次の二つの基準をもとに比較します。
- 売上などの事業規模
- 関与度合いや作業内容
売上などの事業規模
税理士の顧問料は、ほぼ以下のように売上高に応じて金額が設定されています。

関与度合いや作業内容
一般的に顧問契約だと税理士が定期訪問することになります。定期訪問が毎月なのか、四半期に1回なのか、半期に1回なのかといった関与度合いによっても顧問料は変わってきます。
また、記帳代行(会計ソフトへの入力)を請け負う場合、その分作業が増えるので顧問料に別途費用が加算されます。

じつは、売上高などの事業規模、関与度合いや作業内容をもとに相場を調べると、相場といえど、かなり金額に幅が出てしまいます。
そこで、顧問料相場の基準となる金額をざっくりお伝えすると、
ポイント
年間売上が1,000万円から5,000万円までの事業規模で、税理士が毎月訪問であれば、記帳代行を含めても
顧問料は月額30,000円
が基準になります。
それ以上の顧問料を払っているのであれば、それはちょっと高いかもしれません。
顧問料が下落している理由

前述した基準となる顧問料月額30,000円ですが、これはあくまで基準で、同等のサービス内容でこれより安い顧問料というのも少なくありません。
というのも、じつは、税理士の顧問料は、一昔前に比べ下落傾向にあります。
なぜかというと、
- 会計ソフトの普及で自計化が進んだ
- 格安報酬の税理士などの存在
- 税理士紹介サイトなどの認知度が上がった
というのが主な理由です。
会計ソフトの普及で自計化が進んだ
最近の会計ソフトの進歩は目覚ましく、ほぼ簿記知識がなくても入力可能です。しかも、クレジットカードや銀行口座との連携により、登録しておけばデータを取り込み自動で仕訳の生成が可能です。
そのため、記帳代行業務は一昔前より減って、その分の顧問料が削減されています。
格安報酬の税理士の存在
税理士には定年がなく、長く税理士業務を続ける人も多くいます。そのうえ、税理士登録者は毎年一定数いるので、税理士がへることはありません。一方で起業する人、会社を設立する人は、近年あまり増えているわけではなく、会社と税理士の需給バランスはとれておらず、需要過多にあります。
そこで、顧客の取り込みの一環として、新規開業の税理士には、格安報酬の税理士なども出現しました。
この影響を受けて、全体的な顧問料の単価も低下傾向にあります。
税理士紹介サイトなどの認知度が上がった
前述したように税理士紹介サイトはここ10年で大幅に普及しました。一般的に税理士紹介サイトでは、ユーザーからの申し込みに対して、1回の面談で2~3人の税理士を候補として紹介します。税理士側もそのことは承知なので、受注したければ他者を想定して顧問料を提示します。
互いの税理士が意識しあう中では相見積もり状態になるので、顧問料は相場より下落します。
そこにきて、税理士紹介サイトが大幅に普及し、今や十数社存在するので、一定の市場への影響を与えることになり、一昔前の顧問料より低下する流れに拍車をかける結果となっています。
なぜ、これまでの顧問料が高かったのか?

顧問料は低下傾向にあり、相場もずいぶん安くなっているのはわかったけど、
「でも、なんでうちの顧問料は高かったの?」
という疑問がわきますよね?
これまで、あなたの顧問税理士の顧問料が高かったのは次のような理由ではないでしょうか?
- 紹介だったので顧問料に言及しづらかった
- 複数の税理士から見積りをとらなかった
- 税理士のサービス・費用はあまり大差ないと思っていた
紹介だったので顧問料に言及しづらかった
知人などから税理士を紹介されて契約に至った場合、顧問料については言いづらいですよね。
契約時に確認しないとその後見直すことはあまりありません。何かのきっかけで、他の事業主や経営者から聞いて、自分が払う税理士の顧問料がかなり高いことに気づくというのもよくあります。
複数の税理士から見積りをとらなかった
一般的に買い物やサービスを契約するときは相見積もりをとったりします。
ところが税理士と契約するときは、価格交渉や見積りを比較するなんて「なんとなくタブーだ」と思っている人が多いようです。
税理士側もとくに異論がなければ、納得してもらえたと認識して、提示した顧問料で契約になってしまいます。
税理士費用やサービスに大差はないと思っていた
税理士との契約前は、サービスや費用に大差ないと思ってしまいます。
でも税理士はサービス業なので、どこまで関与するかによって、手間(作業量)やリスクが変わってきます。
そのため、手がかかる内容であったり、規模や取引量が大きいといったリスクがあれば顧問料もそれに比例して高騰します。
高い顧問料を払うリスク

顧問料は固定費なので、高い顧問料を払い続けていれば、財務面でもよくありません。
でも、本当のリスクは「機会損失」です。
というのは、上述したとおり、今は安い価格で良いサービスを提供する税理士はたくさんいます。
今のままの高い顧問料で納得のいかない契約を続ける限り、安くてよいサービスを受ける機会はずっと訪れません。
他の良い税理士のサービスを受けられない機会の損失が最もリスクのあることです。
とはいえ、いざ税理士を変更するとなると、どんなリスクがあるかわからず不安になりますよね?
税理士変更のリスク

税理士変更のリスクとして考えられるのは、
- 変更する税理士がいい税理士とは限らない
- かえって顧問料が高くなる
- 解約後、税理士が決まらずに決算を迎える
でも、この問題、「あること」で解決するのをご存知でしょうか?
その「あること」というのは、
税理士と解約する前に税理士紹介サイトで新しい税理士を探すということです。
税理士紹介サイトを利用すると、
- あなたの希望に沿う税理士を紹介してもらい面談
- 面談の際に顧問料が提示される
ことが可能になります。
つまり、自動的に
1⃣変更する税理士がいい税理士とは限らない
2⃣かえって顧問料が高くなる
という問題は防げるんですね。
仮に「相性が合わない税理士」や「顧問料が高い税理士」に遭遇しても、面談して断れば、次の税理士を紹介してもらえます。

税理士紹介サイトは、希望の税理士が見つかるまで無料で何度でも紹介してくれます。
そして、今の税理士と契約中の段階で、税理士探しを行えば、
3⃣解約後、税理士が決まらずに決算を迎える
ことは防げます。
解約前に次の税理士を探す

「今の税理士と契約中に次の税理士を探す」と言うと、
そんなことして大丈夫なの?
と思いますよね。
業界的に、というか私が事務所勤務時代には、けっこう多かったです。
私の勤務する事務所が解約される側の時は、ほぼ100%次の税理士は決まっていました。

なぜ、次の税理士がきまっているのかがわかるのか?
というと、申告書の控えなどの書類の受け渡しが生じるからなんです。
問題になるのは、既存税理士との契約がどうなっているか?
です。
- 解約するには〇ヶ月前に通知する
- 解約は事業年度単位
といったことも稀にあるので契約をチェックしておきましょう。
税理士変更の流れや手続きについてはこちらの記事でくわしく解説しています。
税理士変更はタイミングが重要、手続きの流れや税務調査についても解説
まとめ
「税理士費用が高い」ことは、
今や、税理士契約の解約につながる事象です。
顧問料相場の基準となる金額をざっくりお伝えすると、
ポイント
年間売上が1,000万円から5,000万円までの事業規模で、税理士が毎月訪問であれば、記帳代行を含めても
顧問料は月額30,000円
が基準になります。
それ以上の顧問料を払っているのであれば、それはちょっと高いかもしれません。
税理士費用の見直しで税理士紹介サイトを利用するなら、こちらの記事も合わせてご覧ください。