
税理士変更の断り方で、こんなお悩みありませんか?
税理士変更で断るときの悩み
・税理士変更で断りたいけど、なんて言ったらいいの?
・どんな言い回しだとNG?
・断るときに注意すべきなのは?
税理士にはけっこうプライドが高い人が多いので、言い方次第では、こじれたりモメたりすることもあります。税理士変更、できれば無難にいきたいですよね。
そこで、この記事では、
この記事の内容
- やってはいけない税理士の断り方
- 業界の鉄板の断り方3パターン
- 税理士変更の実務での体験談
についてお伝えします。

税理士事務所勤務時代、税理士変更するときの変更前と後のどちらの立場も数多く経験した私が実務経験をもとに解説します。
また、税理士を断る前に、なぜ次の税理士を探すべきなのか?についても解説しています。
これから税理士変更で断り方を知りたいと思っているなら、失敗しないスムーズな税理士変更になるよう最後までお付き合いください。
やってはいけない税理士の断り方

よくありがちな、やってはいけない税理士の断り方は以下二つです。
やってはいけない断り方
税理士への不満を理由にする
顧問料の高さを理由にする
税理士への不満を理由にする
税理士への不満として、
- メールや連絡のレスポンスが遅い
- 税務調査の対応がまずかった
- 節税や経営についてのアドバイスがない
など、税理士への不満があったとしても、それをそのまま断る理由にするのはおすすめしません。
改善してほしいという要望ならともかく、「もう断りたい」という段階なら、例え事実であっても非難するような理由は避けましょう。プライドの高い税理士だと反論し、もめる元にもなります。
顧問料の高さを理由にする
顧問料が高いことが理由でもそれを伝えるのはやめた方が良いです。
顧問料の値下げ目的ではないのに、顧問料の高さを理由にすると、顧問料を下げることを提示され断れなくなってしまっては本末転倒です。
税理士変更の断り方、鉄板の3パターン

税理士変更の断り方で、税理士業界で知られる鉄板の3パターンは、
- 友人が税理士として独立して、以前から顧問税理士にする約束をしていた。
- 甥や姪が税理士になり顧問税理士にするよう頼まれた。
- 取引先との提携で、取引先指定の税理士との契約を求められた。
以上の3つです。

なんか、この理由だとバレバレな気がするけど、、、
私の経験上、「本当の理由ではないな」というのは税理士側にも伝わります。ここで大事なのは、当たり障りなく断ることです。

この3つの断り方の大きな特徴は、どれも、あなたにも税理士にも非がない。「しょうがない」という理由が成り立つことです。
では、
それぞれをもう少し深掘りしてみます。
友人が税理士として独立して、以前から顧問税理士にする約束をしていた。
これが一番無難な方法です。友人という範囲が曖昧なところも断り方としてベストです。
ただ、話の流れで税理士から、
✔ どちらの事務所にお勤めだったんですか?
✔ 5科目合格されたんですか?
と質問されることがあるので、回答を用意しておきましょう。
ちなみに、回答はあまり具体的にすると、話が深くなるので、
「そんなに大きな事務所でもないみたいですよ。税理士試験に受かったっていうのは聞いたけど、科目がどうとかは聞かなかったです。」といった感じでかわすのがベストです。
甥や姪が税理士になり顧問税理士にするよう頼まれた。
言うまでもないですが、あなたが30代~40代で、甥や姪が税理士になるのに無理がある年齢の場合、この断り方は適さないのでご注意ください。
取引先との提携で、取引先指定の税理士との契約を求められた。
取引先から依頼されて、税理士変更することは、じつはよくあります。
資本提携などが主な理由だったりするのですが、イメージがわかないと思いますので、次の章の体験談で、事例を紹介します。
税理士変更の断り方の体験談

ここからは、私が税理士事務所勤務時代に体験した「税理士変更の断り方」の事例です。
3店舗飲食店経営の法人から断られたときの事例
これは個人の開業税理士の事務所勤務時代に担当していたA社(飲食店3店舗を運営する法人)の話です。
A社はA社の社長の義兄弟であるK社の社長からの紹介で、関与するようになったクライアントでした。
記帳や経理は社長の配偶者がやっていて、毎月会計処理の修正と財務経営状況のレビューを私はやっていました。
でも、このA社とK社ともに私が勤務する税理士事務所のクライアントですが、税理士報酬が微妙な設定でした。
- K社は1店舗しかない飲食店運営で、税理士事務所へ記帳代行丸投げで月額3万円の顧問料。
- A社は、自社で記帳をやっていながら月額6万円の顧問料(1店舗当たり2万円×3店舗なので6万円)でした。

A社からしてみれば、3店舗あるとはいえ、自社で記帳もしているので月額顧問料6万円には、不公平感があります。
案の定、当時A社の社長の配偶者から
「K社の顧問料がいくらか?」について聞かれたことがありました。
K社は私の担当ではないものの小さな事務所なので顧問料の金額は知っていましたが、「顧問料については担当していないので知らない」と返答していました。
この件を代表税理士には伝えていたのですが、
「A社とK社では運営規模が違うので、、、」という理由で、顧問料の価格改定はしませんでした。
それで、結局A社は税理士契約の解約を選択することになります。
その時の断り方が
友人が税理士として独立して、以前から顧問税理士にする約束をしていた。
というものでした。
上記理由であれば、こちらは何も言えず、あまり角が立つこともありません。
このケース、顧問料の設定による不信感が税理士変更の原因だとは思うのですが、
仮に顧問料の値下げを要求されたとしても、税理士事務所側からの視点だと二つ返事で応じることは難しいです。
その一番の理由は、簡単に応じれば
「じゃあこれまでの顧問料は何だったの?」となってしまうから。
値下げの話し合いになっても、いい結果は生まれなかったでしょう。
資本提携による税理士変更で断られた事例
この事例は、私が担当していたクライアントではないのですが、同じ事務所内で合った事例です。
水産加工業を営むS社は、設備投資を検討中でした。そこに取引先N社と提携する話が持ち上がります。
両社の関係性は、S社が製造する水産加工品をN社が販売するという関係性で、ニッチなものや小ロットでも請け負うS社の姿勢や技術力をN社は高く評価していました。
持ち上がった提携話は、既存の商品の一つが大盛況で、ラインを増やして大量生産して売り上げを伸ばそうというもの。その設備投資をするのに、N社が出資するという内容です。
出資なので、返還の必要がありません。
N社としては、設備投資を負担するので、財務内容などは把握しておきたい。そのための税理士変更でした。
このケースは、断り方としてのダミーの理由ではなく、本当に提携先の税理士に変更するという事例でした。
提携先の税理士に変更するというのはイメージが難しいと思いますので、この事例を参考にアレンジしてみてはどうでしょうか?
税理士を断る前にやっておくべきこと

これから税理士変更で、既存の税理士との契約を解約するなら、先に次の税理士を見つけておきましょう。
その理由は、
次の税理士が決まらずに税理士契約を解約してしまうと、
- 決算を迎えた場合、決算が組めず税務申告・納税が遅れる
- 税務調査が来た場合、立ち会い税理士なしの対応になってしまう
というリスクがあるからです。
また、次の税理士が決まっていれば、
解約時点で、現在契約中の税理士からもらっておくべき書類などのアドバイスも聞けます。

解約後に書類をもらうために連絡をとるのは、ちょっとストレスですよね。
まとめ

税理士変更の断り方で、税理士業界で知られる鉄板の3パターンは、
- 友人が税理士として独立して、以前から顧問税理士にする約束をしていた。
- 甥や姪が税理士になり顧問税理士にするよう頼まれた。
- 取引先との提携で、取引先指定の税理士との契約を求められた。
以上の3つです。
これをアレンジして活用してください。
既存の税理士契約を解約するなら、その前に次の税理士を探しておきましょう。
思わぬリスクを被らない様に先回りで準備しておけば安心です。
税理士変更のタイミングや手続きの流れについてはこちらの記事でくわしく解説しています。
税理士変更で失敗しないタイミング、手続きの流れや税務調査についても解説
それでは最後までお読みいただきありがとうございました。