個人事業主 ■税理士の選び方

個人事業主に税理士はいらない?税理士の選び方や費用の相場と安くする方法

税理士との顧問契約で、

  • 個人事業主でも税理士をつけたほうがいいの?
  • 税理士をつけるのは何を基準に判断するの?
  • あとになって、税理士の探し方に失敗したと後悔したくない
  • 税理士費用の相場は?安くなる方法はないの?

とお悩みではないですか?

そこで、この記事では、

税務の実務に通算18年従事して1,000件以上の法人個人の確定申告・100件超の税務調査の立ち会いも経験した筆者が失敗しない税理士の探し方を解説しました。

この記事の執筆者

しょうじ
会計事務所に5回の転職で、5人の税理士のもとで通算18年勤務。そのうち3か所では、No.2として他スタッフの業務管理・指導、事務所のWEBサイト運営や集客にも従事。

これから、税理士と顧問契約を結ぼうと思ってい税理士を探す方は、失敗しないように最後まで読んでお役立てください。

個人事業主の確定申告に税理士はいらない?

確定申告を自分でやる理由

個人事業主の確定申告はいらないと多くの人が思う理由は、

  • e-taxや会計ソフトを使えば、自分でできる
  • 税理士費用がもったいない

これ、ほんとにごもっともな意見で、
国税庁のe-taxや会計ソフトはとても使いやすいので、わざわざ税理士費用払ってまで確定申告を税理士に頼まなくてよいという理由は的を得ています。

とはいえ、確定申告を税理士に依頼している人もいるわけですが、なぜ税理士に依頼するのかというと、自分でやることのデメリットを知っているからなんですね。

確定申告を自分でするデメリット

  • 自分のビジネスの時間をとられる
  • 確定申告書のまちがいによるリスクの発生

自分のビジネスの時間をとられる

青色申告をするとなると、帳簿が必要なので確定申告時期だけでなく、日々会計ソフトの入力が必要になります。

それに加えて確定申告時期に申告書作成と、けっこうな時間と労力をとられます。

仮に帳簿の作成や確定申告ができても、あなたのビジネス上は1円のお金も生みません。税理士に依頼すれば費用は発生しますが、その分の時間を自分のビジネスに投下できます。

例えば月収50万円を25日稼働で稼ぐ人は、1日あたり2万円を稼ぎます。
この人が帳簿の作成、確定申告書の作成などに1週間を費やしたとすれば、14万円の収益がなくなります。この作業を税理士に10万円でやってもらえば、実質4万円得したことになります。

しかも税理士費用は経費になります。

確定申告書のまちがいによるリスクの発生

確定申告書、慣れたらけっこう自分でできますが、じつは、プロの目から見ると間違いはたくさんあります。

下記のtweetにもあるとおり、あまり目に余ると税務調査では、けっこうな追徴税額になることもあります。

税理士に依頼するメリット

税理士に依頼することで、上記のリスクは排除できるうえにメリットとして以下のものがあります。

  • 合法的な節税ができる
  • 将来の税務リスクに備えることができる
  • 税務調査の立ち会いも対応してもらえる

合法的な節税ができる

じつは、インターネットなどで流布される節税手法には、税務調査では否認されるものや、節税はできるもののキャッシュフローも悪くなるといったものまで、合法といえないものや効果が薄いものが数多くあります。

合法的な節税なら税理士に直接聞く方が安心です。

将来の税務リスクに備えることができる

確定申告は税務手続きの一つにすぎません。事業をやる以上は何かしら税務リスクが存在します。確定申告にまつわる税務リスクで、よくあるものは次の二つです。

  • 前年の所得税が15万円以上で予定納税が発生
  • 売上高が1,000万円を超えると2年後に消費税が課税

前年の所得税が15万円以上で予定納税が発生

個人事業主の場合、前年の所得税が概ね15万円以上になると予定納税の義務が発生します。

所得税の予定納税

所得税の予定納税というのは、予定納税基準額の3分の1の金額を、第1期分として7月1日から7月31日までに、第2期分として11月1日から11月30日まで今年の所得税を前もって払う制度

あまり知られていない制度なので、多くの人は確定申告が終わってしばらくしてから、いきなり納付書だけが税務署から届くことにびっくりします。

税理士に確定申告を依頼すると、事前に教えてくれるので、資金的な準備も含め安心です。

売上高が1,000万円を超えると2年後に消費税が課税

売上が1,00万円を超えると、2年後の確定申告から消費税の納税義務が生じます。
例えば、令和3年の売上高が1,000万円を超えると、令和5年は課税事業者となって、消費税の納税義務が生じます。

これも知らないと、消費税の申告と納税の義務を怠ったことになり、無申告加算税が課されます。

税理士に確定申告を依頼すれば、この話も令和3年の確定申告が終わった時点で教えてもらえます。

さらに、法人にすることで原則2年間免税事業者になれるので、法人成りを検討するといった提案もあります。

税務調査の立ち会いも対応してもらえる

税務調査の立ち会いは、「税務調査が来る直前に税理士に頼めばいい」と思っていませんか?

じつは、税理士の立場から言うと、

自分で作成した確定申告の場合 と 他の税理士が作成した確定申告の場合

では、税務調査の責任の度合いが全然違います。

もちろん、他の税理士が作成した確定申告の税務調査を手抜きするわけではありませんが、正直、「フォローできない」ことも多々あります。

自分で作成した確定申告書なら、作成段階で税務調査を想定していますし、理論武装もできます。

つまり、依頼する側からすると税務調査で立ち会いからお願いするより確定申告書の作成段階で依頼する方が賢明です。

税理士に依頼するタイミング

税理士に依頼するメリットはわかったけど、

  • 現状では確定申告を自分でやることに困っていない
  • すぐに税理士に依頼する必要性を感じない
  • 税理士に依頼するタイミングがわからない

という意見もあると思います。

では、税理士に依頼するなら、今後どのタイミングがいいのか?について深掘りしてみました。

税理士に確定申告を依頼するなら、次の2つのタイミングが、基準になります。

  • 売上で1,000万円を超えた
  • 前年より売上や所得が大きく伸びた

売上で1,000万円を超えた

前述したように売上高が1,000万円を超えると2年後に消費税の納税義務が発生します。

なぜ、このタイミングで税理士に依頼すべきかと言うと、次の二つの理由からです。

  • 消費税の申告書は間違いやすい
  • 法人成りするという選択肢

消費税は、通常の税率10%に加え、食品などは8%の軽減税率を採用しています。そのため、集計にも2種類あり、それを間違いなく申告書に反映させるのは慣れていないと間違いやすいです。

また、消費税は、法人成りして個人事業を法人の形態にすると、最初の2年間は消費税が免税になります。法人成りするメリット・デメリット、タイミングを検討するにも税理士に相談しておくのがベストです。

前年より売上や所得が大きく伸びた

税務署の税務調査は、調査対象を選定するのに、前年の確定申告書と今回の確定申告書を比較して決定します。

税務署からしても、より税金を徴収できるところに行きたいので、売上や所得が大きく伸びたところに着目します

特に、ブログやアフィリエイト、せどりといったインターネット取引が近年業績が伸びているうえに、無申告や過少申告などで追徴税額が多く、国税庁はマークしています。

下は、国税庁発表の税務調査の状況ですが、

「インターネット取引を行っている個人に対しては、資料情報の収集・分析に努め積極的に調査を実施」することを明言しています。

令和元事務年度 所得税及び消費税調査等の状況

売上や所得が大きく伸びた場合は、税務調査も視野に入れて、そろそろ税理士との顧問契約を検討する時期にあると思います。

個人事業主の税理士の選び方

個人事業主の税理士の選び方で大事なポイントは以下の3つです。

ポイント

  • あなたの業種に対しての知識がある
  • 一定のITリテラシーがある
  • 中小規模の会計事務所

あなたの業種に対しての知識がある

会計処理は一般的にはどんな業種もほぼ変わりないので、税理士ならすべてに対応できます。

ただ、業種によって税務調査のツボは存在します。

そのため、できれば依頼する税理士にあなたと同業種のクライアントがいる方が、過去の税務調査での失敗やノウハウが蓄積されているので、いいアドバイス・対応が期待できます。

一定のITリテラシーがある

令和3年の税制改正で電子帳簿保存法が改正されました。

一見、「紙での保存がデータに置き換わって便利」と感じられますが、データ保存には細かく要件があります。要件を満たさないと保存義務の不備で、税務調査では経費を否認される場合もあります。

一般的に、こういうことは税理士からアドバイスをもらうのですが、昨今のデジタル化に関する法改正は、複雑化しているので一定のITリテラシーが備わっていないと対応できません

税理士を選ぶ際には一定のITリテラシーがあることは今や必須項目です。

電子帳簿保存法改正

中小規模の会計事務所

個人事業主の場合には大手の税理士法人はおすすめできません。
それは、

  • 税理士費用が高めである
  • 経験不足な若手の担当がつく可能性がある

というのが理由です。

大手税理士法人は事務所規模が大きいので、どうしても維持管理コストがかかります。そのため税理士報酬に転嫁しなければならなく、必然的に高めの傾向にあります。

また、中小規模の会計事務所とちがって、定期的に新人を採用しています。その新人スタッフも実務経験を積むために実地訓練的に顧客を担当するのですが、その場合個人事業主などの零細規模を担当させるケースが多いからです。

個人事業主の税理士費用の相場

いざ、税理士に確定申告を依頼しようと思っても、ネックになるのが税理士費用ですよね。

そもそも、税理士費用は、どんな料金形態で、相場がどれくらいなのか?がわからないのでは依頼するにも不安です。そこで、私の18年の実務経験をもとに解説します。

顧問契約とスポット契約

個人事業主の確定申告の場合、顧問契約とスポット契約という形態になることが多いです。

顧問契約

顧問契約は、毎月月額顧問料が発生し、決算月に決算報酬が発生します。

顧問料
顧問料を支払うことで、税務や会計の質問などは無制限で対応します。また、経営的なアドバイスや資金繰りの相談、税務相談を兼ねて月に1回面談を行うことが一般的です。
決算報酬
決算を組んで、申告書の作成のための料金で、年に1回決算の時のみ発生します。

スポット契約

スポット契約は年に1回の決算と申告書の作成のみを代行するサービスです。顧問契約のように月額で顧問料の支払いがなく、決算報酬だけを支払うことになります。そのため、税務相談の対応などは別途費用が発生します。

顧問契約の相場

個人事業主の場合の顧問契約の相場は、

顧問契約の相場

月額顧問料‥月/1万円~3万円

決算料‥‥‥顧問料の4~6ヶ月分

となります。
多くの場合、記帳代行料(帳簿の作成)は別となります。

スポット契約の相場

スポット契約の相場は、

スポット契約の相場

10万円~15万円

となります。

スポット契約でも
多くの場合、記帳代行料(帳簿の作成)は別となります。

税理士費用を安くする方法

税理士紹介サイトを利用する

税理士費用を安くするには、税理士紹介サイトを使うのがおすすめです。

税理士紹介サイトとは、一言でいうと、利用者と税理士のマッチングサイトです。

利用者は、税理士紹介サイトにどんな税理士が希望かを伝えると、税理士紹介サイトでは、その希望に合う税理士を登録税理士の中から2~3人選定し紹介してくれます。

紹介された税理士と面談の上、相性が合えば契約、合わなければ別の税理士を紹介してもらえます。断る際は税理士紹介サイトの担当者が代わりに断ってくれるのでストレスもありません。

また、希望の税理士と契約できるまで、何度でも無料で紹介してもらえます

税理士費用が安くなる理由

なぜ、税理士紹介サイトを使うと税理士費用が安くなるかと言うと、

自動的に相見積もり状態になるからなんです。

税理士紹介サイトは、概ねどこも税理士を紹介する際、2~3人の税理士を選定して紹介します。

このことは、当然税理士も知っています。
そのため、税理士報酬を提示する際は、競合を前提の上提示します。

つまり、どの税理士も競合を想定するので、自動的に相見積もりの状態になるわけなんですね。

これが、税理士費用が安くなる理由です。

仮に、税理士に個別で申し込む場合は、競合がいないので「言い値」になります。そこが、税理士紹介サイトを使う場合と大きな違いです。

税理士紹介サイトの選び方

税理士紹介サイトも大小合わせると十数社あります。

税理士紹介サイトを選ぶポイント

  • 企業としての信頼性
  • 登録している税理士の登録数や質
  • 担当者のサポート

といったことを基準に選びましょう。

企業としての信頼性

税理士紹介サイトそのものの規模や運営経歴が関係あるの?と思うかもしれませんが、いい税理士に登録してもらうには認知度が必要です。

そうなると、運営経歴が長く、経営的に安定している所の方が広告費を割けるなど有利になるので、企業としての信頼性は大事です。

登録税理士の数・質

登録税理士の数と質はとても重要です。

できれば登録数は多い方がいいです。ただ質も重要で、登録税理士数は公表していないけど、「登録税理士は審査している」ことを売りにしている税理士紹介サイトもあります。

ですから、税理士紹介サイトを選ぶなら、「登録数が多い」か、または「審査しているという質」のいずれかを満たすところを選びましょう。

担当者のサポート

担当者のサポートが充実している税理士紹介サイトでは、

  • 面談する税理士との日程調整
  • 税理士との契約の際の税理士報酬の交渉代行

などもサービスとして対応するところもあります。

おすすめの税理士紹介サイト

上の条件を満たす有名な税理士紹介サイトを3つほどピックアップしました。それぞれの主な特徴もチェックしてみてください。

税理士ドットコム

  • 登録税理士全国6,000名以上
  • 累計実績16万2千件以上
  • 運営会社は東証マザーズ上場企業

くわしく見る


税理士紹介エージェント

  • 登録税理士は「経験・知識・人柄」で厳しく審査
  • 実務や税務に精通した専任エージェントが徹底サポート
  • 税理士とのやり取りや交渉も代行

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税理士紹介センター

  • 会計事務所登録数、3,600か所以上
  • 業界のパイオニア、創業26年、15万件以上の実績
  • 利用満足度95.4%

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有名な税理士紹介サイトの5社をランキング形式で比較した記事はこちらです。
おすすめの税理士紹介サイト【2022年最新ランキング】主要5社を徹底比較!

まとめ

税理士に確定申告を依頼するなら、次の2つのタイミングが、基準になります。

  • 売上で1,000万円を超えた
  • 前年より売上や所得が大きく伸びた

上記の基準を満たすなら、税理士との契約をすることをおすすめします。

個人事業主の税理士の選び方で大事なポイントは以下の3つです。

ポイント

  • あなたの業種に対しての知識がある
  • 一定のITリテラシーがある
  • 中小規模の事務所である

税理士費用を抑えて効率的に税理士を探すなら、税理士紹介サイトを利用しましょう。
税理士紹介サイトを選ぶ際のポイントは、

  • 企業としての信頼性
  • 登録している税理士の登録数や質
  • 担当者のサポート

といったことを基準に選びましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

  • この記事を書いた人

しょうじ

会計事務所に5回の転職で、5人の税理士のもとで通算18年勤務。そのうち3か所では、No.2として他スタッフの業務管理・指導、事務所のWEBサイト運営や集客にも従事。

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