副業の青色申告

✒アフィリエイトは副業なら雑所得だが、「事業所得=NG」ではない

2018年12月12日

本業である会社からの給与があるので、副業で行うアフィリエイトは「雑所得」で申告します。

え?事業所得じゃないの?と思いましたか?

結論から言うと、「事業所得」にしていい場合もあります。

私は、税理士事務所に通算18年勤務し、数多の確定申告書を作成したり、精査してきましたが、副業で事業所得で申告するケースも多くあります。

事業所得で申告するには「基準」があって、これを知らないと、税務調査で大慌てすることになります。過去には副業を事業所得で申告して、裁判で敗訴した事例もありますので、この記事を最後まで一読ください。

この記事でわかること

副業が事業所得と認められなかった判例をもとに、どんな場合がNGなのかを初心者にもわかりやすく解説しています。

ポイント

あなたの副業のアフィリエイトが

✅事業所得として認められるにはどうすべきか?
✅客観的にプロに判断してもらえる方法

がわかるので、税務署からの問い合わせや税務調査の不安がなくなり、自信をもって確定申告できます。

雑所得と事業所得、税務署の視点

そもそも、雑所得と事業所得のちがい、まちがったら何がマズいのかというと、
事業所得→雑所得にしても文句は言われません。
税務署が文句を言うのは、雑所得→事業所得で申告した場合です。

問題点は、事業所得にある納税者にとっての有利な次の2点です。

ポイント

✅青色申告が適用できる

✅損益通算ができる

「青色申告が適用できる」、「損益通算ができる」と税金を安くするできるので、税務署は文句を言います。では詳しく見ていきましょう。

「青色申告」が適用できる

青色申告も所得が限られ、「事業所得」「不動産所得」「山林所得」にしか認められていません。では、青色申告にすると、どんなメリットがあるかというと、、、

ココがポイント

65万円の特別控除がある

「複式簿記による記帳」で、貸借対照表、損益計算書を確定申告書に添付し、法定期限内に提出する場合には最高65万円「簡易な記帳」により法定期限内に提出する場合には最高10万円を所得より控除できます。

ココがポイント

親族に払う給与を経費にできる

事前に届出書を提出することで、配偶者や親族に払う給料を経費にすることができます。ただし、労務の対価として適正な金額で、届出書に記載された金額の範囲内となります。

ココがポイント

損失を3年間、繰り越すことができる

事業などの赤字がある場合に、その赤字を翌年以降3年間にわたって繰り越せます。その繰越した赤字は翌年以降の所得から控除できます。また、逆に赤字が生じた年の前年に繰戻して、所得税の還付を受けることもできます。

ココがポイント

30万円未満の資産を一括で経費にできる

会計上は、長期間にわたって使用する固定資産は、一回で経費にするのではなく、一旦資産に計上し、耐用年数にわたって経費にしていきます。これを減価償却といいますが、税務上もこれに準じています。

ただし、特例として取得価額が30万円未満のものは、一括で経費にできる制度があります。これが「少額減価償却資産の特例」で青色申告にだけ認められた制度です。

損益通算ができる

損益通算というのは、簡単にいうと、赤字を他の所得と相殺することをいいます。
所得の種類によって、この損益通算は可否が決まっていて、損益通算ができるのは、

不動産所得、事業所得、山林所得、譲渡所得(総合課税のもの)の4種類だけです。

副業のアフィリエイトが事業所得として容易に認められれば、

アフィリエイトが赤字であれば、給与所得に赤字をぶつけて、毎月の給与から天引きされた所得税の還付を受けることも可能になります。

たとえば、
あなたの給与が年間240万円だとすると、給与所得は160万円(給与には「給与所得控除」といって、収入金額から一定額差し引く仕組みがあるため)になります。

このときの税率は5%なので、所得税は8万円になります。
(説明をわかりやすくするため、所得控除や復興所得是などは割愛しています。)

 

これに、アフィリエイトで赤字が100万円になれば、給与所得の160万円と相殺して所得は60万円となり、所得税は3万円になります。
給与から天引きされた所得税5万円は還付されることになります。

 

 

 

後述する、大学教授の副業に関する判例は、まさにこのケースで、副業で経費を計上し、赤字にして本業の給与の所得税の還付を受け取ったケースでした。

副業のアフィリエイトが雑所得か事業所得の判断基準

副業のアフィリエイトが雑所得か事業所得かの判断はどうするかというと、

実務上は「実態をもとに」判断するしかないというのが実情です。

所得税法上に「明確な線引き」はありません。

じゃあ何を基準にするかというと、所得税に定められた事業所得の定義で判断するしかありません。

これ以降は、判例の解説もふくめて長文になるので、
「読み飛ばして手っ取り早く基準を知りたい」という人は、以下のリンクをクリックして下さい。
「あなたの副業のアフィリエイトが事業所得として認められるには?」へジャンプ

副業が事業所得が認められなかった判例

じつは、事業所得か雑所得かについては、それが争われた判例が存在します。

大学の准教授である審査請求人が執筆及び講演等の業務から生じる所得を事業所得として申告したところ、原処分庁(税務署長又は国税局長)が、当該所得は雑所得に該当するとした事案で、結果は原処分庁の更正どおり「雑所得」の判決が下りました。

本件は、「執筆及び講演等の業務」なので、アフィリエイトとは、内容が違いますが、「事業所得」としての本質がわかる解釈の一文が登場するので、ここに事例としてあげました。その文章は、、、

イ 法令解釈
所得税法第27条第1項は、事業所得について、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業で政令で定めるものから生ずる所得である旨規定し、その委任を受けた所得税法施行令第63条において、事業所得の事業に当たるものとして、11項目にわたり業種を例示するとともに、その他対価を得て継続的に行う事業がこれに当たる旨規定している。
このように、所得税法第27条第1項及び所得税法施行令第63条に規定する「事業」については、その意義自体について一般的な定義規定を置いていないところ、その意味するところは、自己の危険と計算において独立して行う業務であり、営利性・有償性を有し、かつ、反復継続して業務を遂行する意思と社会的地位とが客観的に認められるものであると解される。
そして、ある所得が事業所得に当たるか否かを判断するに当たっては、当該所得が社会通念上「事業」といえる程度の規模・態様においてなされる営利性、有償性、反復継続性をもった活動によって生じる所得か否かによって判断すべきであり、この場合において「事業」といえる程度の規模・態様においてなされる活動といえるかどうかは、自己の計算と危険においてする企画遂行性の有無、その者の精神的肉体的労務の投入の有無、人的・物的設備の有無、その者の職業・経験及び社会的地位等を総合的に勘案して判断すべきである。

国税不服審判所

上の黄色のハイライト部分

①自己の計算と危険においてする企画遂行性の有無、

②その者の精神的肉体的労務の投入の有無、

③人的・物的設備の有無、

④その者の職業・経験及び社会的地位等

が事業所得の判断の基準であると思います。以下、私見ですが、一つずつアフィリエイトに当てはまるか見ていきます。

まず①について、具体的には、アフィリエイトでかかる費用等が自己負担であるかどうか、という点で判断できると思います。アフィリエイト自体がそれほど経費を要するものではないかもしれませんが、例えば、社宅で通信費が会社持ち、無料のブログサービス等を使って運営しているなど、自己負担が一切なければ、それは「事業」とは呼べないでしょう。

②については、アフィリエイトに従事する時間が多ければ多いほど、合致するのではないでしょうか。平日はほとんど何もせず、週末に2~3時間では、事業とは言えないでしょう。

③について、アフィリエイトであれば、物的設備がそれほど要しないため、例えば、記事執筆やWEBサイトの作成に外注したり、アルバイトを雇用するなどの人的設備があれば、事業としての側面を有すると思います。

④については、趣味の域を超えないと合致しないのではないかと解します。例えばダイエットの分野でアフィリエイトをするとして、その記事がWEBサイトで調べた内容や個人的経験では弱いのではないか?ということです。具体的には、トレーナーとしての職務経験があり、そのノウハウが織り込まれているなど、「その者の職業・経験及び社会的地位等」に起因するようなものが必要だと考えます。

最終的には、3つ該当するからよい、とか1つしか該当しないからダメではなく、「総合的に勘案して」という判断になります。また、上記判例の中には、以下の解釈が明示されています。

M大学から生活を営むのに十分な給与収入を得ていたことからすれば、本件業務は、社会通念上「事業」といえる規模・態様においてなされた活動とまではいえない。

個人的には、この一文は重要で「サラリーマンがアフィリエイトをするうえでの事業としての妥当性」を表す、最もわかりやすい表現です。

結局、「サラリーマンとしての給与収入」というものがある以上、アフィリエイトが事業と認められるには、事業といえる相当の規模・態様等を有しないと難しくなります。 

あなたの副業のアフィリエイトが事業所得として認められるには?

ここまでまとめると、

あなたの副業のアフィリエイトが事業所得として認められるには、
以下のポイントを4個以上クリアすれば、事業として考えられます。

ポイント

✅経費はすべて自己負担

✅毎日、一定時間以上アフィリエイトの業務に時間を費やしている

✅外注への発注やアルバイトの雇用など人的設備がある

✅アフィリエイトしているジャンルの専門知識を有している

✅会社からの給与と変わらないくらいのアフィリエイト収入がある

とはいえ、自信がもてないですよね。
できれば、税理士に判断してほしいのではないでしょうか?

客観的にプロに判断してもらう方法

税理士紹介サイトをうまく使うと、相談ができます。

そこで、フィーリングが合う税理士なら、確定申告を依頼した方がメリットがたくさんあります。

 

 

確定申告を税理士に頼むメリット

  • 確定申告に費やす時間を本業に充てることができる
  • 税務調査の時、責任をもってやってくれる
  • 会計、税金などのわからないストレスを抱えなくて済む
  • 正しく節税できる
  • 税務署から問い合わせが来ない
  • 会計処理のミスなどが少ない
  • 税務署にナメられない

確定申告に時間を割かなくてよいことや節税アドバイスは容易に想像できたと思いますが、

・税務調査のとき責任もってやってくれる
・税務署から問い合わせが来ない
・税務署にナメられない

上記3つは意外だったかもしれません。

・税務調査のとき責任もってやってくれる

税務調査を依頼すれば、どんな税理士も責任をもってやってくれます。ただ、税理士からすれば自分で作った申告書と他人がつくった申告書では温度差は出てきます。

 

・税務署から問い合わせが来ない

単純ミスや間違いがあると、税務署から問い合わせが来ます。
税務署からの電話ってイヤですよね?

そこが税理士に依頼していれば、単純ミスはそんなにないし、
税理士の方で対応してもらえます。

・税務署にナメられない

確定申告書には「税理士署名押印」の欄があって、
税理士が申告書を作成した場合、ここに税理士の名前が印字されています。

これは、ある税務調査で調査官に聞いた話ですが、
「税理士署名」欄に税理士名がないとき=納税者自身が作った申告書
は、一定数で間違いが多いらしく、
税務署も税理士署名がないと、「間違いがあるもの」として見るそうです。

デメリット

確定申告を税理士に依頼するデメリットは、、、
税理士費用がかかる

これだけです。

でも、これも考え方で、
税理士に確定申告を依頼すれば費用はかかりますが、
その時間を本業に充てられます。

自分で確定申告をすれば、費用はかかりませんが、
その分本業で稼げる時間をとられます。

あなたが仮に1時間に1万円を稼げるとして、
確定申告に要する時間が10時間なら、
それは税理士に10万円で依頼するのと変わりません。

しかも、税務会計の素人のあなたがするよりミスなく的確にやってくれます。

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