確定申告 所得税

せどりの税金はいくらかかるのか?

2020年2月6日

確定申告の税金の計算は、慣れないうちは、どうやって計算しているのかよくわからないのではないでしょうか?

わからないまま、進めてしまって、無駄に多くの税金をはらったり、大きな間違いがあって税務署からのお尋ねがあったりするのは嫌ですよね?

この記事では、せどりで確定申告をはじめてする人向けに、わかりやすく解説しています。

税務実務に18年従事した元税理士事務所のベテラン職員だった私がお答えします。

この記事でわかること

①専業のせどりの税金の計算方法

②副業のせどりの税金の計算方法

についての税金の仕組みがわかるので確定申告に「必須の知識」が身につき、もやもやとした不安がなくなります。

個人の税金の仕組み

せどりの税金の仕組みの前に、そもそもの個人の税金の仕組みをざっくり抑えておきましょう!

税金を計算するには、次のような流れになります。

step
1
所得を種類で分ける

個人の税金は、まず収入の元となるものを種類別に分類します。個人で商売をやっている人は「事業所得」、不動産の貸し付けをする人は「不動産所得」、会社員など会社から給与をもらっている人は「給与所得」など全部で10種類あります。

step
2
所得の金額を求める

収入からかかった経費を差し引き、所得を計算します。

収入ー必要経費=所得

step
3
所得から各種の控除を差し引く

STEP2で、収入から必要経費を引いて所得を計算しますが、このあとさらに「所得控除」というものを引くことができます。

具体的には、国民健康保険や国民年金、会社で加入する健康保険、厚生年金がなどの「社会保険料控除」、生命保険を払っていれば、「生命保険料控除」、扶養する親族がいれば「扶養控除」などがあります。

所得から所得控除を引いたものを「課税所得」といって、これが税金を求める際、税率をかける元となります。

所得ー所得控除=課税所得

step
4
金額に応じて税率をかける

課税所得に税率をかけて税金を計算しますが、この税率は、課税所得の金額に応じて変わってきます。

課税所得の金額が高くなるにつれ、税率も高くなります。これを「超過累進税率」といいます。

専業のせどりの税金の計算方法

専業でせどりをする場合を、具体例をあげて計算してみましょう。

前提

【せどりの収支】
売上:年/1200万円、仕入れ及び経費:年/750万円、期末在庫:20万円

【扶養や所得控除】
妻:専業主婦 子:2人(ともに小学生)
国民健康保険の年間支払額:40万円、国民年金の年間支払額:19万円

step
1
所得を種類で分ける

専業でせどりをする場合は、所得の種類は「事業所得」になります。事業所得には開業届出書の提出が必要なので、もし、やってなければ提出しましょう。

step
2
所得の金額を求める

所得の金額は、売上から必要経費を引いて求めます。このケースの場合では、
売上の1200万円から、仕入れ及び経費の750万円を引くので、450万円となります。

ところが、ここでせどりなどの物販は注意が必要で、年末に売れ残った在庫は経費になりません。
というのは、税務や会計上は、仕入れた商品は、購入した時ではなく、売れた時の経費になるという取り決めがあるからなんです。
くわしくはコチラの記事で解説しています。

この事例では、年末に20万円分在庫があるので、その在庫分は仕入れ及び経費から引くことはできません。

そうなると、仕入れ及び経費として引けるのは750万円ではなく、730万円となります。
で、所得は売上1200万円から、仕入れ及び経費730万円をひいて470万円となります。

step
3
所得から各種の控除を差し引く

この事例の場合、控除できるのは、妻が専業主婦で所得がないので、「配偶者控除」の38万円がうけられます。子供は二人いますが16歳未満なので、所得税で控除できる「扶養控除」には該当しません。

社会保険料控除は、支払った金額全額が控除できます。この事例でいくと、国民健康保険の年間支払額:40万円、国民年金の年間支払額:19万円が控除されます。

この他、だれでも一律に控除できる38万円の「基礎控除」があります。

ここで課税所得を計算すると、

【課税所得】

所得 470万円 ー 所得控除 135万円 = 課税所得 335万円

(所得控除の内訳)
配偶者控除38万円+社会保険料控除59万円(国民健康保険40万円+国民年金19万円)+基礎控除38万円=合計135万円

step
4
金額に応じて税率をかける

課税所得335万円と計算されたので、これに税率をかけて、所得税を計算します。

335万円は下の表の太枠の区分になるので、335万円に20%をかけた金額から427,500円を控除した金額が所得税となります。

【所得税】

課税所得 335万円 × 20% ― 427,500円 = 242,500円

所得税は242,500円と計算されました。売上や仕入れ及び経費が集計できれば、それほど計算自体は複雑ではないのがお分かりいただけたでしょうか?

つづいて副業の場合の計算を見ていきましょう。

副業のせどりの税金の計算方法

副業でせどりをする場合を、具体例をあげて計算してみましょう。

前提

【せどりの収支】
売上:年/300万円、仕入れ及び経費:年/185万円、期末在庫:5万円

【本業の収入】
年間の給与の金額:480万円

【扶養や所得控除】
妻:専業主婦 子:2人(ともに小学生)
健康保険の年間支払額:24万円、厚生年金の年間支払額:45万円

step
1
所得を種類で分ける

副業の場合、本業の会社からの給与は「給与所得」、副業のせどりの収入は「雑所得」になります。

参考

せどりなどを副業で行う場合は、通常「雑所得」になります。専業で行う場合は「事業所得」となりますが、事業所得にするメリットやその要件についてはコチラの記事でくわしく解説しています。


step
2
所得の金額を求める

副業をしている場合など、所得が複数の種類ある場合には、所得の種類ごとに計算をします。

【給与所得】
給与の場合、経費ではなく、給与の金額に応じて差し引く「給与所得控除」があります。


この事例の場合、給与の年間の金額は480万円なので、上図の太枠の箇所に該当します。

給与所得控除は、480万円×20%+54万円なので、150万円となります。

給与所得は、給与の金額:480万円 - 給与所得控除:150万円 = 330万円

【雑所得】

せどりの方は売上:年/300万円、仕入れ及び経費:年/185万円、期末在庫:5万円なので、

売上:300万円 ― 仕入れ及び経費:180万円(仕入れ及び経費:185万円ー期末在庫:5万円)=120万円となります。

【所得合計】

所得が複数ある場合、ここで所得を合算します。

この事例の場合は、給与所得:330万円+雑所得:120万円 = 450万円となります。

step
3
所得から各種の控除を差し引く

所得から、所得控除を引いて課税所得を計算します。

【課税所得】

所得 450万円 ー 所得控除 145万円 = 課税所得 305万円

(所得控除の内訳)
配偶者控除38万円+社会保険料控除69万円(健康保険24万円+厚生年金45万円)+基礎控除38万円=合計145万円

step
4
金額に応じて税率をかける

305万円は下の表の太枠の区分になるので、305万円に10%をかけた金額から97,500円を控除した金額が所得税となります。

【所得税】

課税所得 305万円 × 10% ― 97,500円 = 207,500円

 

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