個人の税務調査

税務調査を引き寄せる確定申告書

2019年11月5日

あなたの確定申告書、税務調査を引き寄せる申告書になっていませんか?

たとえば、

仕入れを全部経費にしている

決算書に○○金の科目がない

この記事のタイトルから、

確定申告書が税務調査を引き寄せる?ってどういうこと?

と疑問に思ったかもしれません。

 

じつは、税務署が税務調査をする前には、どの納税者の税務調査に行くかを無作為に抽出しているわけではありません。

確定申告書を見て判断しています。

 

では、どうやって決めるのかというと、、、

これは、ある税務調査で調査官に聞いた話です。

国税庁には、KSK(国税総合管理)というシステムがあって、オンラインでデータを管理しています。

このシステムは、全国の業種別の売上高や利益率をデータとして蓄積しているのですが、
この数値が同業他社と著しく違ったり、前期比較で数値にひらきがあると、
税務調査の対象として報告があがってくるらしく、そこが選定のスタートになるようです。

そこから、確定申告書などを確認し、決定されるようです。

では、どういったケースがあるか?具体例を挙げてみてみます。

仕入れを全部経費にしている

仕入れが全部経費にならないと聞くと、おどろくかもしれませんが、、

売れ残った商品の仕入れは、売れた時の経費ですよ、ということなんです。

下の図を見てください。

商品➊~➍は令和1年に仕入れたものです。
➊~➌は令和1年に売れたので、令和1年の経費ですが、➍は売れたのが令和2年なので、令和2年の経費となります。

それで、決算のときに「仕入」ではなく、「棚卸商品」に振り替えて、令和1年の申告では、経費にせずに令和2年に経費にします。

この来年の経費になる在庫商品のことを期末棚卸高というのですが、
これ、あまりいい加減にできないんです。

というのも、
この期末棚卸高が税務署がみている利益率におおいに関係するからなんです。

 

そもそも、期末棚卸高は、どこに記載されるかというと「決算書」です。

個人の確定申告を事業所得で申告する場合、国税庁様式の決算書の添付が必要です。

この決算書には、二つの様式があります。

収支内訳書 青色申告決算書

左が青色申告を適用しない人が使う決算書、右が青色申告を適用する人が使う決算書です。

この決算書、見てのとおりOCR様式になっています。
これが冒頭でお話ししたKSKのシステムに取り込まれるわけなんですね。

では、期末棚卸高が利益率にどう影響するかというと、、、

期末棚卸高は粗利に影響する。

利益の指標の一つに売上総利益、通称、「粗利」というものがあります。
粗利というのは売上高から売上原価を引いた金額です。

売上高 - 売上原価 = 粗利

売上原価というのは、今年、仕入れた金額に、昨年仕入れて経費にならなかった期末棚卸高を足して、
今年の期末棚卸高をひいたもの。

つまり、今年、売れた商品に対する仕入れの金額を算定したものになります。

粗利を売上高で割ると、粗利率がでます。
この粗利率、例えば、卸売業なら10%前後、小売業なら25~30%前後が一般的です。

そして、税務署は、この「粗利率」を非常に重要視しています。

なぜ税務署は粗利率を重視するのか?

税務署が粗利率を重要視する理由は、粗利率をみれば、売上を隠していることが一目瞭然だからなんです。

 

売上を隠そうとする場合、それに対応する仕入れも隠すことはあまりありません。

たとえば、A商品の利益が大きく、これを隠そうとする場合、
A商品の売上高は隠しても、A商品を仕入れた時の仕入高を隠す人はあまりいません。

 

粗利率は、粗利を売上高で割って求めるので、
「売上高」が減って、売上原価を構成する「仕入高」が減らないと、数値が大きく変わってきます。

つまり、売上高を隠していることは、粗利率をみることで、すぐにわかるということなんです。

決算書に〇〇金の科目がない

これは、青色申告を適用している人に関係するものですが、○○金というのは、売掛金のことです。

青色申告というのは、「簿記をつかって帳簿をつけると、税務上の特典をつけるので、まじめに記帳してね」という意味合いの制度です。

 

簿記は会計上の優れた技術で、取引が明瞭になります。つまり「宙ぶらりん」の取引がなくなります。

どういうことかというと、、、、

 

物販の取引を例にすると、会計上、売上を計上するのは、納品が完了した時になります。

ただ、その時点で売上は計上するものの、入金までに期間があります。このタイムラグの期間、「宙ぶらりん」の期間を簿記上は「売掛金」として認識します。

 

逆に言うと、「売掛金」が決算書に載ってなければ、

納品が完了して、入金待ちの状態のものが計上されていないという、売上の計上漏れ」が疑われることになります。

青色申告決算書で、「売掛金」はどこに記載されるべきかというと、4ページ目「貸借対照表」の部分になります。

青色申告をしている方は、この貸借対照表に売掛金が記載されているかチェックしてみてください。

 

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